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洋書 Bibliophile's Chitchat

読んだ洋書や日々の読書について語っています。

We Were Liars 読了

普段は読んだ順にレビューを載っけていて、実はまだ日本語版のレビューをアップしていない本が2冊あるんですが(英語版には載っけているので興味があればw)、取り急ぎ先に日本語にてレビューをば。

今日読み終えた本はこちらです。

 

We Were Liars

We Were Liars

 

いやーーーー。

最後の展開にはやられましたね。こう来るか!という感じで、Part 5: Truth に入ってからは怒涛の展開でした。まさにPage turner。残り30ページ近くを一気に読み切りました。

終盤までは裕福で祖父が主導権を握るSinclair familyの島での日常が淡々と語られていくのですが、途中で主人公のCadyが水難事故に遭って記憶を一部失い、Summer Fifteen(15歳の夏)に起きた事故に関する出来事を思い出せなくなるあたりから、微妙な雰囲気を帯びてきます。

というのも、常に

Cady の言うことをそのまま鵜呑みにしていいんだろうか。

と勘ぐりながら読んでいく感じなんですよね。この辺はこの間読み終えたA World Without You に近いものがありますが。

主人公 Cadyの視点で物語が語られていくんですけど、その肝心のCadyの記憶というかナレーションに疑問が残る。「これ、ほんとに起きたことを言ってるの?それとも空想?」と常に感じてしまうんですよね。全てが腑に落ちない。

とはいえ、Gatとのプラトニックな恋模様は非常に美しく、穏やかに語られます。

この作者のライティングは淡々としているのですが、時に非常にリリカルになります。
そしてそれがまた綺麗。

また、Cadyが書いたという設定で途中に Once upon a time, there are three beautiful princesses... といった感じの短い創作物語が挿入されるのですが、こちらがまたCadyの心境や、Sinclair familyに起きる出来事をうまくほのめかしていて、非常に効果的に使われているんですね。直接的ではないけれど、「あ、こういうことが起きたんだ(起きるんだ)」と読み手に結末が伝わる。
非常にうまいな、と思いました。

物語として面白いなぁと思ったのは、傍から見たら裕福で何不自由なさそうな家族(親族)間にも色々と派閥というか、敵対心というか小さなささくれがあるのねぇ、ということが描かれていること。Patriarch な祖父の頑固さ、3人の娘家族が遺産相続というか、家族の所有する土地や家を争って敵対し、それがヒートアップしていく様がうまく描かれていて、そしてそれが4人のLiars たちをとある行動に駆り立て、そしてそれが。。。

先程も書きましたけど Part 5からが圧巻。

「え?!こう来る?!」と、Part 5の冒頭から「えっ!」と声に出して驚いてしまいました。。。
そこから語られるCadyの心境、後悔、苦しみ、悲しみは泣きはしませんでしたけどちょっと胸にきましたね。

そして、エンディングです。このエンディングが何とも。。。希望が見えるんだけれども、どこか悲しい。取り返しのつかないことをしてしまった、消せない事実。そしてそれを受け入れ、背負って生きていかなければいけない現実。そういうのが凝縮されている気がして、「うわーーーーー。。。」とため息しか出ませんでした。

正直、「好きか嫌いか」と言われたら、複雑です。まだ自分でもこの本が好きなのか嫌いなのか、よく分かりません。いや、「嫌い」ではないです。読んでいて楽しかったし。

ただ、「好き!」と言えるかと言われたら。。。この感情は「好き」に属するんだろうか?と考えてしまう感じです。

 

でも、面白いです。Haunting です。特にラストは。

ぜひご自身の目でご覧になってください。