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洋書 Bibliophile's Chitchat

読んだ洋書や日々の読書について語っています。

The Nix 読了

 ツイ友のずらっぺさんとBuddyreadしていたThe Nix、ついに昨日読み終えました! 

The Nix

The Nix

 

 いやー、めっちゃ長いというかwordyに感じましたが、読了感はほかの多読仲間さんも仰ってましたが、「案外爽やか」でした。

というのも、全編を通してどこかsarcasticでブラックユーモア的な感じが漂うのに、終わりがこれとは。。。違う意味で驚きでした。でも終盤は先へ、先へ、と止まりませんでしたけどね。すごく綺麗にまとまったな、という印象です。

こちらの本は渡辺由佳里さんの「これを読まずして年を越せないで賞」で大賞を受賞したことから、ツイ友のののさんにお願いしてゲットしてもらいました(ノ゚Д゚)八(゚Д゚ )ノ

で、読んだ感想としては

言葉の使い方が上手い、というか他にはない特徴がある

というのが真っ先に来ます。

お気に入りのチャプター4、Argumentum Verbosium では女子大生の典型的と思われる喋り方(マシンガンみたいな感じで相手に口を挟む余裕を与えない)を見事に表現し、さらに終盤(チャプター名忘れたw)では2文目のセンテンスが

延々とチャプター丸ごと続く

という離れ業をやってくれました(笑)

いや、冗談じゃないですよ。後ろに( )内の補足情報とか付け加えたりカンマで区切って新しい情報追加したりとか延々続けて気がついたらチャプターが終わるまで文が終わらないという。でもすごいのがそうやって延々と読んでいるうちに、文章が終わらないことに違和感を感じなくなってくるんです。気がついたら夢中になって読んでる。すごいなーって思いました。

登場するキャラクターはみんなどこか荒んで、壊れています。でも、そんなキャラクターたちが終盤になると変わっていく。その過程が読んでいて「ふむふむ」と面白く感じました。物語の終わりは本当に爽やかでむしろ心がほんわかする感じがしました。
物語の始まりはこういう展開になるとは思いませんでしたけどね。

長い分、キャラクターの背景とかも非常に緻密に描かれています。2011年の現代と1968年の母親の若い頃の時代を行ったり来たりして物語を紡いでいきます。なぜ2011年に母親があのような行動を取るようになったのか、が緻密に、丁寧に描かれます。時には「それ、要る情報??」と思うくらい長く感じたこともありましたが、でも「どっかでこれが繋がるハズ」という気持ちがとにかく進もうと掻き立ててくれたというか。
で、もう一つすごいなと思ったのが、それだけ長いし情報量も結構多いので、「果たして全部覚えてるかしらー」と思いきや、作者がうまーく「この人はこういう場面で出てきたんだよ」的な情報を入れてくれているので、「あ、そうそう、この人はこういう人だったっけ」と記憶を呼び起こすことができる、というか。「この人誰だっけ」と迷わなくて済んだところもまたすごいな、と思いました。

で、終盤になるとパズルがひとつひとつ繋がるように見事にぴたっと収まって「あああー!こう来たか!」という瞬間がいくつもありました。

この本をどうカテゴライズしたらいいか正直分かりません。

でも、個人的にはこれは「やり直し」とか「償い」とかそういう物語なのかなぁと思いました。

シニカルで皮肉に満ちてるし暗い部分もあるけど、でも最後は綺麗に収まるっていうか。しかもそれが見え見え~~な感じではなく自然にまとまっていく。

デビュー作とは思えません。長いけど、おすすめです。

ちなみにペーパーバックでもずーっと抱えているとかなり重いですよw 久々に肩こりに悩まされました。でもこれは個人的にはハードカバーで欲しい気がします。はい。