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洋書 Bibliophile's Chitchat

読んだ洋書や日々の読書について語っています。

Between Shades of Gray 読了

またまたご無沙汰しておりましたm(_ _)m
実はこの本は「とうの昔に」読み終えていたのですが、アップするのが今になってしまいまして。。。もうダメね、最近サボりぐせが(焦)

ということで、読み終えました、Between Shades of Gray、12-17歳向けのHistorical Fiction です。 

Between Shades Of Gray

Between Shades Of Gray

 

詳しくはリンクをクリックして説明をご覧になっていただくとして笑

前回のポストでも書きましたが、最初はどうもしっくりこず、言葉が響いてきませんでしたので、50%前後の時点でもう一度最初に戻り、集中して読み直した1冊です。

文体としては非常に淡々としているので、時に非常にショッキングとも思える描写もありますが、全体としては非常に「静か」なイメージで物語が進みます。

ソビエト軍により捕らえられ、狭苦しい貨物列車(それも家畜を載せていたと思われる不衛生な)に詰め込まれlabor campへの道のりを描いたPart1、Labor campでの生活を綴ったPart 2、そしてPart 3と3つのパートに分かれていますが、Part 3の終盤、ラストに近づくにつれ涙腺を刺激されます。

正直言って、Linaとその家族が経験したことは想像を絶します。肉体労働を強いられながら、1日の終わりに手にする食事は300g相当のパンだけとか、雪解け水で髪や体を洗うとか、でもそうしなければ生きていけなかったということを考えると、今の私たちは何と恵まれているんだろう、平和なんだろうと思いました。

ただリトアニアに住んでいただけで「罪人」扱いされ、家畜同様の扱い、辱めを受ける・・・人権も何もあったもんじゃない時代。それがまかり通っていたと考えると、Linaたちの人生は壮絶なものだったんだろうなぁと感じます。

キャラクター描写も非常に素晴らしい。ちょっとズケズケとものを言う、自分の素直な感情を隠すことができないLinaと幼いのに純真かつ大人びたJonas、そしてまさに「生まれながらに悪人はいない」という信念を体現化したような母のElena(ロシア語が話せるため、ストーリー中でも重要な役割を果たします)。特に母のElenaが素晴らしい。常に冷静沈着で、かつ心優しい。ゆえにラストはとっても悲しいです。

Linaが密かに恋心を抱くようになるAndriusも素敵です。かといって、いかにもーなラブストーリーにならず、そこがまた良かった。あくまでほんのかすかなplatonicという感じで、恋愛面を前面に押し出さなかったところが個人的には好感を持てました。もし前面に押し出されていたら「あー、またお決まりのパターンか」とちょっとゲンナリしていたかも(^_^;)
とはいえ、Part2の終わりだったかな、LinaとAndriusの関係にある局面が訪れます。ここでのAndriusの言葉が。。。もう、「うわーーーー」って感じでした。
ほのかなんだけど、やりすぎてないんだけど、でも心をガシっと掴まれる。そんな感じでした。

あと、意外な人物の思わぬ「善人」な側面が描かれていたのも、この物語を引き立てた要因ではないかな、と思います。ちょっと切なく、でも心動かされました。「あー、やっぱり心の根っこの部分まで悪人、っていう人はいないのかもな」と。

ラストですが、ここでタイトルの意味が判明します。このタイトルとこのシーンの関連づけ方が私としては「うまいな!」と思いました。そして、エピローグのLinaが後世の誰かに残した手紙ーこれがまたいい!
ここでほのめかされるLinaとAndriusの結末に、私はため息しました。

 

さっきも書いたように、全般的に「淡々と」した文体です。 なので「ドラマチック!」という感じでは、ないです。でもこの側面の歴史的事実はあまり語られていなかったと思うので、そういう意味では読む価値があるのかな、と思います。

物語そのものとしても、ラストに向けて感動するので、興味があったらどうぞ^^