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洋書 Bibliophile's Chitchat

読んだ洋書や日々の読書について語っています。

Finding Father Christmas 読了

洋書レビュー

 やっと読み終えました。たった今。もう今日は早く帰宅するって決めてました。

Finding Father Christmas

Finding Father Christmas

 

 

昼休みの終了とともに残りわずかの状態で読む手を止めなければならなくて、帰宅して読み始めたものの、最初は気分がどうしても乗らなかったんですが。

最後に持ってかれました。

最後はもう、文字が涙でぼやけて見えづらくなるほど来ました。感動の波が。

 

ミシガンで生まれ、サンフランシスコで暮らすMirandaは、物心ついた時から舞台女優だった母親とふたり暮らし。一箇所に留まることなく、公演に応じて土地から土地へと転々としながら母のEveが作り出す、おとぎ話のような空想の世界で育ってきたMirandaは自分には父親すらいないものと信じ込んでいた。

そんなある日、ふとしたことで母親の手荷物の中の青いバッグの中にサンタの格好をした男性と小さな少年が写った写真を見つける。写真の裏には写真が撮られたと思われるイギリスの写真館の名前と住所、そして同じバッグの中にMirandaの出生証明書が。でも父親の名前は分からないまま。そしてMirandaが11歳の時、母親は他界してしまう。

その日から数少ない手がかりを頼りに、Mirandaは父親を密かに探し続けていたが、クリスマスを目前に控えたある日、ついにMirandaはイギリスへ旅立つ。
自分の父親は誰なのか、自分の出生の秘密を見つけ出すために。

 

全体の雰囲気としては、冒頭から終わりまで、非常に静かに進む物語です。Calm and tranquil といった単語が一番しっくりくるでしょうか。

ですが、Mirandaの心情描写や、イギリスで起こる出来事、Mirandaが出会う人々など、とにかく表現が見事で感情を思わず掻き立てられます。静かなんだけど、心を惹きつけられる不思議な力があります。まるで晴れた日に音もなく空から降ってくる雪のように、しんしんと心に響いてくる、そんな感じです。

文章も非常に美しい。文学的な印象さえ受けます。単に素直でストレートな英語とは違う。The Chronicles of Narniaが引き合いに出されていることもあり、きっと作者はそういったClassicsを沢山読んできたんだろうなと容易に想像がつくほど、綺麗だなと個人的には思いました。

1章1章が非常に短いのですが、クリフハンガー的な感じで「次、どうなるんだろう!」と思ってしまうような終わり方をするので、読むのをやめられません。

Christian Fiction になるのかなぁ、やっぱり神について触れている部分もありますが、でもそれを抜きにしても物語として非常に楽しめます。
自分ではどうすることもできない、自分を超越した神の思し召しー押し付けがましくなく、説教臭くもなく、すーーーーーっと心に入ってきます。

何よりも私をSobbing mess状態にしたのは最終章での会話部分。一言一言が、誰の口から発せられた言葉にしてもグッと来るんです。涙腺一気に刺激されました。
本当は引用したいくらいですが、そこが一番の泣かせどころなので割愛します。

普段はおちゃらけた感じで書いたりする私の所感ですが、今回だけは茶化しちゃいけない気がする(いつも茶化そうとかいう気持ちはないんですけどね。ただ表現方法としてそういう手段をとっているだけなんですが)。

今回が2度目の読了ですが、前回よりもはるかに、遥かに感動しました。

まぁそれも涙もろい私の性分からかもしれませんが、おすすめです!次のEngaging Father Christmas もとっても楽しみです!